2018年10月12日金曜日

DJI Phantom 3 Gimbal Dancing FIX

DJIファントム3プロ ジンバル不具合原因の特定と修理

墜落によるカメラ部ダメージ(ロールモーター軸外れ,フレキPCB破断)

ロールモーターは回転子のウレタンワイヤ断線があったため,とりあえず新規に購入した.
ロールモーター単体での販売はない(ピッチアーム込み)ため,PCBが共通のピッチモーターの軸を入れ替える(または加工する)ことで代用できる.

もちろん,ピッチアームアセンブリを買うのが一番シンプルであるが,費用を抑えるためモーターのみの交換を試みることとした.

ピッチモーターは送料込みで約12USDでebayで購入.

フレキPCBはAliexpressで約10USDで購入.いずれも中国のシリコンバレーと呼ばれる深センよりの送料込み.

ロールモーターをアームを破壊せずに取り出すのは結構難儀した.接着剤が使ってあるので,アセトンで緩める必要がある.
また,アームの壁は薄いのでピッタリの治具を見繕う必要がある.アセトンで接着剤を緩めたところで,別のピッチアーム(破損品)を台にして,ロールモーターのマグネット側のケースをハンマーで軽く打撃を加えて徐々に抜いた.

とりあえず組み上げて,機体の電源を入れたところ,ジンバルは全く一定せず,暴れまくる状態となった.何度か組みなおしても症状は全く同じである.

ロールモーター及びピッチモーターのドライバ基板を仔細に観察したところ,ピッチドライバ基板の抵抗式ロータリーポジションセンサの脚の一本がはんだが外れているようである.

おそらく,墜落時にピッチ軸の衝撃が伝わったものと思われた.この部分をはんだ付けしなおして組みなおした.

ところが,症状は全く改善しない.やはり,角度を全然検出していないようである.

もう一度ピッチドライバ基板を外し,ロータリーポジションセンサの黒いプラスチックカバーを外したところ,カーボンの抵抗体に少なくとも6か所で亀裂が入っており,テスターで調べたところ亀裂の部分で完全に導通が失われていることが分かった.

ロータリーポジションセンサ導電体破断状況


ロータリーポジションセンサは軸径が4mmの10kΩの一般的なもののようである.実際に使われているのはおそらくアルプス電子のRDC506018Aという部品に相当するものと思われる.

https://www.alps.com/prod/info/J/HTML/Sensor/Position/RDC50/RDC506018A.html

とりあえず別の余っているドライバ基板のものを取り付けたところ正常に動作することが確認できた.

ロータリーポジションセンサはだいたい150~300円くらい,10kΩで軸径4mmは一番一般的なもののようなので,入手性はそれほど悪くないと思われる.

国内ではモノタロウでも販売している.ロボットの腕の角度の検出などにも使われるようで,RDC506はツクモ電子での取り扱いがある(300円).アルプスとムラタ製作所のものが一般的なようだ.

今回のような衝撃による故障だけでなく,寿命のある部品なので経年によるジンバル不具合の発生個所にもなる可能性がある部品であると考えられる.

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